転職面接NGワード10選|即不採用を避ける言い換えフレーズ集

転職面接では、スキルや経歴以上に「言葉の選び方」が合否を分けます。

実際に、人事担当者は候補者の発言から姿勢や適性を判断しており、たった一言のNGワードが原因で即不採用になるケースも珍しくありません。

本記事では、人事経験者の視点から「面接で避けるべきNGワード」と「正しい言い換え方」を解説します。

さらに、面接官がNGワードを嫌う心理や、好印象を与えるプラスの表現まで紹介します。

これを読むことで、転職面接で余計な減点を避け、安心して自分の強みを伝えられるようになるでしょう。

転職面接NGワード10選と落ちる理由

転職面接において、不適切な発言は大きなマイナス評価につながります。なかには、一言で選考通過が極めて困難になる「即落ちワード」も存在します。

本章では10個の代表的なNGワードを取り上げ、それぞれがなぜ不利になるのかを人事目線から解説します。加えて、無難な言い換え例や、面接官に好印象を与える表現も提示します。これにより、実際の面接で安心して自分を表現できるようになるでしょう。

①「給与・待遇が一番大事」と条件を最優先にする発言

即落ち危険度:★★★

給与や待遇を最優先にする発言は、面接官に「この候補者は条件が合わなければすぐに退職するのではないか」という強い懸念を与えます。採用後の定着性に疑問を抱かれるため、評価が著しく下がる要因となります。

NG例:「給与が一番大事です」

無難な言い換え:「給与はもちろん大切ですが、それ以上に仕事内容に魅力を感じています」

好印象の表現:「御社の環境で自分の力を発揮し、成果を上げて適切に評価されたいと考えています」

人事部長のひとこと: 「“お金目当て”と受け取られる表現は即落ちにつながります。しかし、“成果を出して評価されたい”と伝えると、前向きな姿勢として受け取られます」

②「前職や同僚の悪口」を口にするネガティブ発言

即落ち危険度:★★★

前職や同僚の悪口は、面接官に強い不信感を抱かせます。「この人物は新しい職場でも同様に不満を口にするのではないか」「人間関係のトラブルを起こす可能性がある」と推測されやすいためです。結果として、信頼性を大きく損なう発言となります。

NG例:「前の会社は上司が最悪でした」

無難な言い換え:「前職では多くを学べましたが、環境の違いを感じる部分もありました」

好印象の表現:「前職で得た経験を基盤にしつつ、新しい環境でさらに力を発揮したいと考えています」

人事部長のひとこと: 「悪口は即座にマイナス評価につながります。しかし、“学びを活かしたい”と前向きに表現すれば、評価は大きく変わります」

③「残業は絶対にしたくない」と制約ばかりを伝える発言

即落ち危険度:★★★

「残業はしたくない」と強調すると、面接官は「柔軟性に欠け、業務の幅が限定されるのではないか」と感じます。働き方を大切にする意識は理解されますが、条件面を優先する姿勢が強すぎると、不採用につながる可能性が高まります。

NG例:「残業は絶対にしたくありません」

無難な言い換え:「効率的に仕事を進めることで、可能な限り残業を減らしたいと考えています」

好印象の表現:「効率を重視し、成果を最大化することで、結果として残業が少なくなる働き方を実現したいです」

人事部長のひとこと: 「“残業したくない”と否定的に伝えるのは危険です。“効率的に成果を出す”と前向きに表現すれば、評価はむしろ高まります」

④「仕事内容は特にこだわりません」と無関心に聞こえる発言

即落ち危険度:★★

「こだわりがない」と表現すると、面接官は「志望動機が弱く、会社や職務に対する関心が薄い」と感じます。主体性が見えない候補者は採用リスクが高いと判断されやすいのです。

NG例:「仕事内容はなんでも大丈夫です」

無難な言い換え:「幅広い業務に関心を持っています」

好印象の表現:「特に○○の分野に関心があり、そこを軸に幅広い業務にも挑戦したいと考えています」

人事部長のひとこと: 「“なんでもいい”はやる気なしと受け取られます。具体的な関心分野を示しつつ柔軟性を加えると評価は上がります」

⑤「キャリアアドバイザーに勧められて」と他人任せな理由

即落ち危険度:★★★

志望理由を「他人に勧められたから」とすると、主体性の欠如を示す結果となります。面接官は「入社後も受け身で動くのでは」と判断するため、強いマイナス要素になります。

NG例:「キャリアアドバイザーに紹介されたので応募しました」

無難な言い換え:「提案を受けて、自分の希望と照らし合わせました」

好印象の表現:「提案をきっかけに御社を調べ、自分のキャリアプランと一致していると確信し応募しました」

人事部長のひとこと: 「きっかけがアドバイザーでも構いません。自分の意思で選んだと示すことが重要です」

⑥「人に感謝される仕事がしたい」と抽象的すぎる志望理由

即落ち危険度:★★

「人に感謝されたい」という言葉は一見良さそうですが、具体性がなく誰にでも使える表現です。面接官は「本気度に欠ける」と受け取ります。

NG例:「人に感謝される仕事がしたいです」

無難な言い換え:「自分の経験を活かし、人に喜ばれる成果を出したいです」

好印象の表現:「前職で培った○○のスキルを活かし、御社のサービスを通じてお客様に貢献したいです」

人事部長のひとこと: 「抽象的な志望動機は伝わりません。経験やスキルに結びつけて話すと説得力が生まれます」

⑦「短期間でキャリアアップしたい」と自己都合を前面に出す発言

即落ち危険度:★★★

「すぐに昇進したい」という発言は、会社の成長より自分の都合を優先している印象を与えます。面接官は「長期的な貢献は望めない」と判断します。

NG例:「短期間でマネージャーになりたいです」

無難な言い換え:「将来的に責任ある立場を目指して努力したいです」

好印象の表現:「現場で成果を積み上げ、そのうえで責任ある役割を担えるよう努力したいです」

人事部長のひとこと: 「段階を踏んでキャリアを築く姿勢を示すことが、最も評価されます」

⑧「転職回数は多いけど気にしてません」と自己弁護する発言

即落ち危険度:★★

転職回数を軽視する発言は、面接官に「またすぐ辞めるかもしれない」という不安を与えます。経験を資産として語らないと大きなマイナス評価につながります。

NG例:「転職は多いですが、気にしていません」

無難な言い換え:「さまざまな環境で経験を積みました」

好印象の表現:「複数の経験で培ったスキルを、御社で長期的に活かしたいと考えています」

人事部長のひとこと: 「経験を“弱み”でなく“強み”に変えて伝えることが大切です」

⑨「会社に成長させてもらいたい」と受け身な姿勢の発言

即落ち危険度:★★

「会社に育ててもらいたい」という言葉は、主体性の欠如を意味します。採用側は自ら学び成長できる人を求めています。

NG例:「会社に成長させてもらいたいです」

無難な言い換え:「成長の機会を活かし、自分の力でスキルを高めたいです」

好印象の表現:「御社で成果を出しながら、自ら学び成長していきたいです」

人事部長のひとこと: 「成長意欲は歓迎されます。ただし“与えてほしい”ではなく“自ら努力する”と伝えることが重要です」

⑩「SNSや評判で知ったので受けました」と軽く聞こえる志望理由

即落ち危険度:★

企業を知ったきっかけとしてSNSを挙げるのは問題ありません。しかし、それだけで終えると「調査不足」「本気度が低い」と判断されやすくなります。

NG例:「SNSで評判が良かったので受けました」

無難な言い換え:「SNSで知り、興味を持ちました」

好印象の表現:「SNSをきっかけに調べた結果、御社の理念に強く共感し応募しました」

人事部長のひとこと: 「“きっかけ”は問題ありません。ただし“調べて共感した”と補足することで志望動機に深みが出ます」

面接で落とされやすい表現は、言い方を変えるだけで大きく印象が変わります。
実際に使えるフレーズは、「転職面接で好印象を与える回答例10選」で詳しく紹介しています。

転職面接NGワードの言い換えポイント5つ

NGワードを避けることは重要ですが、単に言葉を変えるだけでは不十分です。面接官に「前向き」「主体的」「信頼できる」と感じさせる言い換えが必要です。本章では、効果的に伝えるための5つのポイントを整理します。

①否定を避け、肯定的に表現する

「残業は絶対にしたくない」という否定的な言葉は、拒絶の印象を与えます。「効率的に成果を出し、残業を減らす」と言い換えることで、前向きな印象へと変わります。

②抽象的な言葉を具体化する

「人に感謝されたい」だけでは不十分です。「営業経験を通じて顧客課題を解決し、信頼される存在になりたい」と具体的に示すと説得力が増します。

③受け身を避け、自らの意思を示す

「成長させてもらいたい」という受け身の表現はNGです。「自ら学び成長していきたい」と主体性を込めて言い換えることが重要です。

④希望と柔軟性のバランスを示す

「転勤はできません」では制約が強すぎます。「希望勤務地はありますが、必要に応じ柔軟に対応します」と伝えれば、自己主張と協調性の両立ができます。

⑤経験や成果と結びつける

抽象的な志望理由ではなく、これまでの経験や成果と関連づけて話すことが大切です。「前職で培った分析力を活かし、御社の新規事業に貢献したい」といった表現は高評価につながります。

面接官がNGワードを嫌う心理と本音

面接官がNGワードを嫌うのは単なる印象の問題ではありません。その背後には、採用後に生じるリスクを事前に回避したいという強い意識があります。本章では、人事担当者が実際に考えていることを4つの観点から整理します。

①採用後のリスクを懸念する

「残業はしたくない」「転勤はできない」といった制約を強調する発言は、採用後に業務に支障をきたす可能性を想起させます。企業にとって採用は大きな投資であり、リスク要因を抱えた候補者は敬遠されやすいのです。

人事部長のひとこと: 「“できない”を強調すると、採用後の不安材料として直結します。柔軟さを示すことが重要です」

②会社への適応力を疑う

「仕事内容は何でもいい」という発言は、一見柔軟に思えますが、実際には「会社に適応する意欲が低い」と受け取られます。面接官は「この人は環境に合わせて成長できるか」を見極めようとしています。

人事部長のひとこと: 「適応力の有無は非常に重要です。“会社に馴染めないかもしれない”という懸念があると採用は難しいです」

③主体性や熱意の不足を感じる

「成長させてもらいたい」という表現は、受け身の姿勢を示してしまいます。主体性を欠いた候補者は、採用後に自ら動けない可能性が高いと判断されます。

人事部長のひとこと: 「熱意や主体性が欠けていると、他の候補者に簡単に埋もれてしまいます」

④人間関係のトラブルを想起する

「前職の上司が悪かった」といった発言は、その場で信頼を損ないます。面接官は「この人は新しい環境でも同じように不満を口にするのでは」と直感的に判断するためです。

人事部長のひとこと: 「悪口は採用リスクを想起させます。前職を前向きな学びに変換して話すことが、信頼を得るポイントです」

NGワードを避けるだけでなく、立ち居振る舞いや第一印象も重要です。
そのためには、「転職面接で好印象を与えるポイント完全ガイド」も参考にしてください。

一次面接と最終面接でのNGワードの違い

同じ発言であっても、一次面接と最終面接では受け取られ方が大きく異なります。一次では「最低限の適性」が重視され、最終では「志望度と会社との相性」が決定的な要素となります。この違いを理解していないと、思わぬところで不合格につながる危険があります。

①一次面接で嫌われる発言

一次面接では、基本的な姿勢や柔軟性が問われます。「仕事内容は何でもよい」「残業は絶対にしたくない」といった発言は、やる気や適応力に欠けると判断されやすいです。ここでマイナス評価を受けると、次のステップに進むことは難しくなります。

人事部長のひとこと: 「一次は入口です。基本的な姿勢が確認できなければ、先に進ませる理由はありません」

②最終面接で嫌われる発言

最終面接では、志望度や会社との相性が重視されます。「エージェントに勧められたから」「SNSで評判を見たから」といった発言は、自分の意思で選んでいないと受け取られます。その結果、熱意不足と見なされ、不採用につながることがあります。

人事部長のひとこと: 「最終で志望動機が弱いと、どんなにスキルがあっても採用には至りません」

③評価基準の違い

一次と最終では、評価基準が明確に異なります。一次は主に現場担当者が対応し、基本的な適性や協調性を確認します。最終は役員クラスが多く、会社全体の将来を見据えて判断します。

面接段階 重視されるポイント 典型的なNGワード
一次面接 基本姿勢・柔軟性・最低限の適性 「残業は嫌です」「仕事内容は何でもよい」
最終面接 志望度・会社との相性・将来性 「エージェント任せ」「SNSで知った」

人事部長のひとこと: 「一次は“基礎体力”を見る場、最終は“本気度とマッチ度”を見る場。この違いを理解することが合否を分けます」

転職面接で好印象を与える言葉3選

NGワードを避けるだけでなく、評価を高める「プラスの表現」を使うことができれば、面接官に強い印象を残せます。ここでは、人事経験者が実際に高く評価した“好印象ワード”を3つ紹介します。

①成長意欲を前向きに伝える

「成長させてもらいたい」という受け身の姿勢ではマイナス評価となります。しかし「成果を出す過程で成長していきたい」と主体的に伝えれば、高い評価を得られます。

好印象ワード:「成果を上げる中でスキルをさらに磨き、成長していきたいです」

人事部長のひとこと: 「努力を自分ごととして表現できる人は、伸びしろのある人材として見られます」

②会社に貢献する姿勢を示す

条件ではなく「自分がどう貢献できるか」を語れる候補者は、面接官にとって非常に魅力的です。貢献意識を前面に出すことで、即戦力候補としての評価が高まります。

好印象ワード:「これまでの経験を活かし、御社の事業に貢献していきたいです」

人事部長のひとこと: 「貢献意欲を具体的に表現できる人は、選考を通過しやすいです」

③長期的なキャリア観を語る

「とりあえず転職したい」という短期的な動機は敬遠されます。逆に「長期的にキャリアを築きたい」と語れる人は安心して採用されます。

好印象ワード:「御社で長期的に経験を積み、責任ある役割を担えるよう努力したいです」

人事部長のひとこと: 「長期的に働きたいという意思表示は、採用の決め手になり得ます」

まとめ:NGワードを避けて、自信を持って面接に臨もう

転職面接でのNGワードは、候補者の実力や経験そのものではなく、印象を大きく左右する要素です。

「給与が一番大事」「前職の悪口」「残業は絶対に嫌だ」といった発言は、面接官に不安や不信感を与え、即不採用につながりかねません。

しかし、同じ思いでも表現を工夫すれば、前向きで主体的な印象に変えることができます。

否定的な言葉を肯定的に言い換え、経験や成果と結びつけて伝えることが、面接での大きな武器になります。

本記事で紹介したNGワードの回避法や好印象ワードを活用し、自信を持って面接に臨んでください。

正しい言葉選びができれば、あなたの強みは確実に伝わり、合格への道が開けるはずです。